Astra対Fable値段比較
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2つの新モデルの中身
2日違いで登場した両モデルの立ち位置を確認しよう。
Code Arenaで首位を獲得——ただし差は僅か35ポイント
GPT-6 AstraはArena.aiのCode Arena:WebDevで1797ポイントを記録し、Fable 5.1の1762ポイントに35ポイント差をつけて首位に立った。一方、独立系評価機関Artificial Analysisのコーディング・エージェント指標では、Fable 5.1が70点、Astraが67点とFable 5.1が上回っており、どちらの評価軸を見るかで順位が入れ替わる状況だ。
前回記事の訂正——ARC-AGI-3は62.7%が公式スコア
9月4日の記事では、Astraが主張するARC-AGI-3の98.6%という数字について、独自の逆算試算から「公式条件なら20%前後の可能性がある」と推定していた。その後、ARC Prize公式の標準ハーネスによる測定結果が明らかになり、実際のスコアは62.7%だったことが判明した。当時の推定(約20%)は実際の数値を下回っており、この場で訂正する。98.6%という数字は、状態を保持し長い会話を圧縮する特殊なアダプター条件下でのみ成立する値だという。
価格は完全一致——差はキャッシュ読み取りのみ
両モデルとも入力10ドル・出力50ドル(100万トークンあたり)という同一の価格設定を採用した。DataCampやAlphaCorpなど複数の専門メディアが指摘する通り、料金表で異なるのはキャッシュ読み取り単価だけで、Astraが1.00ドル、Fable 5.1が0.25ドルとなっている。
【著者が試算】キャッシュコストの実費差
同じ値札の裏で、実際の請求額がどれだけ変わるのか具体的な条件で計算した。
著者が試算:両社公式料金表にもとづく実費計算(2026年9月時点)
20万トークンの文脈(コードベースや長文書類を想定)を10ターンにわたって読み返す条件で計算すると、GPT-6 Astraは1回あたり6.30ドル、Claude Fable 5.1は4.95ドルとなり、約21%の差が生まれる。1日20回のペースで22営業日運用した場合、月間の差は約594ドルに達する。この差はキャッシュ読み取りの比率が高いほど拡大し、逆に単発の短い質問応答では両モデルのコストはほぼ変わらない。試算の前提条件(新規入力5000トークン・出力3000トークン)を変えれば数字は動くため、自社のワークロードに当てはめて確認する必要がある。
Artificial Analysisのタスクあたりコスト測定では、Astraが1.67ドル、Fable 5.1が3.76ドルとなっており、これは今回の試算とは逆にAstraの方が安い結果になっている。これは同じスコアを出すのに必要なトークン消費量がAstraの方が少ないためで、キャッシュ読み取りコストとトークン効率という2つの異なる指標が、それぞれ逆方向の結論を導いている点には注意が必要だ。
両論評価
Fable 5.1のコスト優位を評価する見方と、Astraのトークン効率を評価する見方、双方の論拠を整理する。
▶ Fable 5.1のコスト優位を評価する側:長時間のエージェントタスクや同じ文脈を繰り返し参照する業務では、キャッシュ読み取りが4倍安いFable 5.1の方が実質コストを抑えやすい。Anthropicは長文脈での追加料金も設けておらず、大規模な文書処理でも料金体系が単純だ。
▶ Astraのトークン効率を評価する側:Artificial Analysisのタスクあたりコストで見ると、Astraは同じ成果を出すのに必要なトークン数が少なく、単発利用やタスク完遂型の業務ではむしろ安上がりになる場合がある。Code ArenaやFrontierMathなど一部の評価では明確に上回っており、用途によってはAstraを選ぶ根拠は十分にある。
「安いのはどちらか」は一概には言えず、キャッシュ読み取りの頻度が高いか、単発タスクが中心かによって答えが変わる。自社の利用パターンに当てはめて試算することが欠かせない。
日本の企業・産業への影響まとめ
- ① 自社の利用パターンを棚卸ししよう:同じコードベースや文書を繰り返し参照するエージェント運用が中心なら、キャッシュ読み取りコストの違いが月間の請求額に直接響いてくる
- ② タスク単位のコストも確認する必要があると思う:単発の質問応答や一度きりのタスク完遂が中心の場合は、Artificial Analysisが示すタスクあたりコストの数字も合わせて確認しておきたい
では実務としてどうするか。まずは自社の代表的なワークロード(1回あたりの入力・出力トークン数、文脈の再利用頻度)を洗い出し、両モデルの料金表に当てはめて実費を試算してみるのが確実だ。長時間エージェント中心ならFable 5.1、単発タスク中心ならAstraという単純な使い分けにとどまらず、実際の利用パターンで判断したい。
※本記事は2026年9月7日時点の報道にもとづく分析です。情勢は今後変化する可能性があります。判断は必ず最新の公式発表をご確認ください。
GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1の価格は本当に同じなのか。
入力・出力トークンの単価はどちらも100万トークンあたり10ドル・50ドルで完全に一致している。ただしキャッシュ読み取りの単価だけは異なり、Astraが100万トークンあたり1.00ドルなのに対し、Fable 5.1は0.25ドルと4分の1に設定されている。
実際のコスト差はどのくらいになるのか。
20万トークンの文脈を10ターンにわたって再利用する試算では、Astraが6.30ドル、Fable 5.1が4.95ドルとなり、約21%の差が生じる。1日20回・月22営業日のペースで運用した場合、月間で約594ドルの差になる計算だ。
日本企業にはどちらが向いているのか。
長時間のエージェントタスクや同じコードベース・文書を繰り返し参照する業務では、キャッシュ読み取りが安いFable 5.1の方が実質コストを抑えやすい。単発の質問応答が中心の使い方では、両モデルのコスト差はほとんど出ない。